COLUMN
コラム

熊本地震から考えるオフィスの地震対策

はじめに

「平成28年熊本地震」により、被災された皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。被災全域の安全と、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

この教訓をオフィスの地震対策に活かしていく

阪神・淡路大震災や東日本大震災などの教訓から、新たに建てる建物の耐震基準は、震度7の揺れでも耐えられるものとされてきました。

しかし先日発生した熊本地震は、震度7が連続して起こるという今までにないタイプの地震でした。耐震基準が新しくなってから建てられた建物にも、大きな被害が発生しています。

地震対策の重要さが、改めて浮き彫りになった今回の熊本地震。これをきっかけに、オフィスの地震対策をもう一度見直してみませんか? 

避難経路を遮るものを重点的にチェック

オフィスでの地震対策で、一番重要なポイントは避難経路の確認です。出入り口への通路が分かりやすいレイアウトであることが大切です。経路の幅は、一人がギリギリ通れる広さでは危険なため、最低でも1.2mは確保しましょう。

経路を遮るようなものは置いてはいけません。パーテーションを設置する場合は、できるだけL字型かコの字型の倒れにくいものがベストです。

しっかりと固定することが大切!

出入り口が分かりやすいレイアウトにするには、視界を遮る背の高い家具は中央付近には置かず、壁際に設置します。その上で転倒防止金具や左右連結金具でしっかりと固定します。

また背の低いキャビネットなどもできれば壁際に設置する方が安全ですが、どうしても通路沿いに置かなくてはならない場合は必ず固定し、避難経路を塞いでしまわないようにします。

コピー機などの重くてキャスターがついているものは、必ずロックをして地震の際に移動しないように固定します。

窓付近やガラス扉のキャビネットなどの注意点

窓の近くに置く家具は、必ず腰の位置より低いものにします。また金庫や冷蔵庫などのように重いものは避けた方が無難です。震度7といった大きな地震になると、どんなに重い家具であっても外に落下する危険があります。

書類などを保管するガラス扉のキャビネットを設置する場合、仮に背が低いキャビネットであっても避難経路沿いには置かないようにしましょう。地震の際に割れたガラスで負傷する可能性が十分にあります。

飛散シートなどを貼り、これもやはり壁際に設置することが望ましいでしょう。

事前に準備しておくべき防災グッズ

避難経路の確保や家具の固定のほかに、地震対策としてやっておくべきことは防災グッズの準備です。ヘルメットや市販されている防災グッズは、必ず社員の人数分プラスアルファを用意しておきます。

それ以外にも、数日間をオフィス内で過ごさなければならない場合に備え、2~3日分の食料や毛布類なども備蓄しておきます。

そして定期的に避難訓練をすることで、いつ地震が起きても慌てずに行動を取れるようにしておきます。どんなに準備をしていても、慌ててしまっては大きな怪我をする危険性が高まります。

地震対策は、物と人の両面でしっかりと備えておくことが一番のポイントです。