COLUMN
コラム
多くのスタッフが仕事をするオフィスは、空気が汚れやすいのでこまめな換気が必要です。換気がうまくできていないオフィスは、体熱による温度や湿度の上昇、呼吸による酸素の欠乏や炭酸ガスの増加を招き、スタッフの健康を害するリスクがあります。安全上の理由で窓が開けられない高層階のオフィスでは、よりしっかりとした換気が重要です。
そこで今回はオフィスでの換気の重要性、そして日本でも問題になりつつある「シックビルディング症候群」についてご紹介します。
温度管理よりも重要な換気
快適なオフィス環境をつくるのに大切な温度管理。エアコンを使う夏や冬の最適な設定温度について、頭を悩ます人も多いはずです。実際に、あるビル管理を手がける会社が調査した結果によると、オフィスの温度について、女性の60%が「寒いと感じる」と回答。そのうち85.3%が「体調不良に結びついた」と答えています。
しかしこの温度以上に気を使いたいのが換気です。換気を行わないことで引き起こされるのが、乾燥によるドライアイなどの視覚障害、シックビルディング症候群などの健康被害です。エアコンを使っていると設定温度にばかり気を向けがちですが、換気にも十分な注意が必要です。
「シックビルディング症候群」にならない為に
1990年代後半から2000年前半にかけて社会問題化したシックハウス症候群。最近では空調に不備があるビルでも同じような問題、「シックビルディング症候群」が起こっています。シックビルディング症候群とはアメリカで名付けられたものですが、日本ではビルの管理に関する法律が早く制定されたこともあり、これまではそれほど問題視されていませんでした。
しかし高層ビルや空調システムが古くなったビル、またリフォームしたばかりのビルなどでシックハウス症候群と同じような症状を訴える人が増えてきています。シックビルディング症候群が発生する大きな原因は換気の不足にあります。
空調システムの管理など、専門業者でなければ解決できない問題もありますがまずはしっかりと換気を行うことです。高層階にあるオフィスでどうしても窓が開けられない場合は、空調システムのメンテナンスを欠かさないことが重要です。
レイアウトが快適なオフィスをつくる
オフィスの換気でもう一つ重要なポイントがあります。それはオフィス全体の空気の流れを良くすることです。その為にはオフィスのレイアウトにも気を使わなくてはなりません。
オフィスレイアウトの注意ポイント
・窓の近くに大きなキャビネットや棚を置かない
・取り入れた外気が一部分に滞留しないよう、間仕切りの設置場所を考慮する
・棚や間仕切りによって空気の流れが止まってしまう場合、サーキュレーターを活用する
以上のように、レイアウトを工夫するだけでもオフィス全体に外気が回りやすくなります。また換気を行う際には、外気の入口と出口をつくるとより効果的に空気が循環しやすくなります。
綺麗な空気が心地良いオフィス環境をつくる
スタッフの健康管理において、オフィス内の換気は非常に大きな役割を果たします。朝や夕方など時間を決めて換気をするなど、換気を習慣化させて快適なオフィス環境をつくりましょう。