COLUMN
コラム

オフィスの分煙を考える

喫煙者の皆さん、肩身の狭い思いをしていませんか?

2003年に施行された健康増進法により、公共の場での喫煙所が減っていく中で、2015年に労働安全衛生法の改正法が施行され、職場の受動喫煙防止対策が事業者に努力義務として求められることになるなど、分煙に関する規制は年々厳しくなっています。

オフィスも例外ではなく、喫煙をする人の肩身は狭くなる一方です。しかしその反面、喫煙スペースは情報交換やコミュニケーションの場でもあるという意見もあり、いきなりすべて撤去するというのは得策ではありません。

そこで今回は「オフィスの分煙を考える」と題し、喫煙者と非喫煙者が共存していけるオフィス空間についてお知らせします。

喫煙者の数は年々減り続けている

日本たばこ産業株式会社が発表した「全国たばこ喫煙者率調査(2016年)」によると、たばこを吸う成人の割合は前年を0.6%下回り、19.3%になったそうです。

喫煙者の数は年々減少の一途をたどっていますが、それでもまだ5人に1人は喫煙者です。会社としても社内に喫煙者がいる限り、何らかの対応が必要です。しかし単純に喫煙スペースを設置するだけでよいのでしょうか?

喫煙スペースはコミュニケーションの場?

たばこ事情にまつわるアンケート(マイナビニュース・2015年)によると、喫煙スペースで仕事に関する情報交換や他部署とのコミュニケーションが行われることで、仕事が円滑に進むといった回答があるそうです。たしかに喫煙スペースというリラックスした空間で、普段は交流のない他部署の人と会話をしたりできる効果はあるでしょう。

しかし非喫煙者から見れば、喫煙者がオフィス内にいないことで作業が遅くなる、喫煙者だけ休憩が多すぎるといった不満もあるようです。喫煙スペースは、喫煙者同士の情報交換、コミュニケーションにはよい場所ですが、非喫煙者にとっては無駄な場所と認識している人が多いようです。

会社としては、この両者の意見のバランスを考えた対応が必要です。


両者が納得できるコミュニケーションスペースを

ひと昔前の喫煙スペースは空気清浄機を置いただけでしたが、その頃と比べると分煙の技術は非常に進歩をしています。

また、労働安全衛生法により職場での受動喫煙防止対策に取り組む中小企業事業主に対し、喫煙室などの設置にかかる費用の一部を助成する受動喫煙防止対策助成金制度もあります。これを活用することで、喫煙者と非喫煙者が共にコミュニケーションを図れる空間を模索することもできるかもしれません。

喫煙者、非喫煙者どちらか一方の意見だけに配慮していては、会社にとってプラスにならないでしょう。会社としては喫煙者だけではなく非喫煙者も分け隔てなく情報共有、コミュニケーションが図れる場として機能させることが、これからの分煙のスタンダードになるかもしれません。