COLUMN
コラム
「オフィスに不審者が侵入」「○○万件分の顧客情報が漏えい」など、頻繁に耳にするオフィスのセキュリティに関するニュース。書類などの目に見えるものだけではなく、パソコンの中にある重要なデータが盗まれるなど、オフィスのセキュリティ対策は喫緊の課題です。
そこで今回は、オフィスデザインやゾーニングを見直すことで不審者を寄せ付けないオフィスデザインについてお送りします。 来訪者が入れるエリアを限定するなど、デザインやレイアウトの観点からオフィスのセキュリティを考えていきましょう。
データの漏えいも不審者によるケースが多い
オフィスのセキュリティ対策は、不審者の侵入とハッキングなどによるデータの漏えいという2つの観点から行う必要があります。
そしてハッキングなどによるデータの漏えいに関しては、ネットワーク関連のガードを堅くするといった技術的な対策も重要ですが、実はオフィスデザインが原因となって漏えいしている場合も少なくありません。
データを盗み取るのはネットワーク経由だけではない。
パソコン内のデータをハッキングすると聞くと、外部のパソコンなどからオフィスのネットワークに侵入しデータを抜き取る、もしくは改ざんするといったイメージが強いかもしれません。
しかし実際にはこれ以外にも、オフィスに侵入してパソコンとキーボードの間にデータを読み取る機器を挿入してデータを盗み取るといった手法もあります。パソコン内のデータ漏えいを防ぐ為にも、不審者の侵入を防ぐオフィスデザインは重要なのです。
セキュリティを重視した“ゾーニング”
近年では、防犯意識の高まりからオフィスのセキュリティ対策として、用途に応じてオフィスの間取りを決める「ゾーニング」という考え方が浸透してきました。エントランスなど誰もが入れる場所から来客用の応接室、スタッフが働く業務スペース、そしてサーバールームや機密情報を保管する書庫といったスペースごとにセキュリティのレベルを上げていきます。
具体的には、エントランスや来客用の応接室からは直接、業務スペースが見えないように観葉植物やつい立てを置く。サーバールームや機密情報を保管する書庫といったスペースに到達するまでの導線を、一直線にせず曲線にすることで侵入者の速度を落とし、監視カメラに映りやすくするなどの対策があります。
また照明を明るくしたり、外からの光を取り入れて明るい空間をつくり、人の動きを分かりやすくするといった対策も有効です。
ゾーニングに加えてセキュリティシステムを取り入れる
ゾーニングは多額の費用をかけることなく、オフィスのセキュリティ対策ができるということで、多くの企業が取り入れています。しかし当然ながら、それで100%安全ということではありません。
ゾーニングはあくまでも、不審者が侵入しにくい環境を作つくることが目的。できることであれば、防犯カメラ、ICカード電子錠、指紋認証といったシステムの導入も視野に入れるようにしたいものです。
オフィスのセキュリティ対策は、スタッフ一人ひとりが防犯意識をしっかりと持つことが重要です。そういった意味ではゾーニングは、スタッフのセキュリティ意識を高めるうえでも効果的な施策の一つです。
スタッフ同士でゾーニングに対するアイデアや意見を出し合い、よりレベルの高いセキュリティ対策を目指しましょう。