- Top >
- コラム >
- オフィスデザイン・オフィス移転のマニュアル >
- ユニバーサルデザインとオフィスレイアウト
COLUMN
コラム
ユニバーサルデザインという言葉をご存知でしょうか? バリアフリーデザインと混同してしまいがちですが、基本的な考え方は大きく異なっています。障害者だけではなく、国籍、性別などにかかわらず誰もが使いやすいデザインを追求するユニバーサルデザイン。今回はこのユニバーサルデザインを生かしたオフィスレイアウトについてご紹介します。
ユニバーサルデザインとバリアフリーデザインの違い
バリアフリーデザインとは一言でいえば障害者に配慮したデザインです。主に車椅子であっても移動しやすく、健常者と変わらずに業務をこなせるよう、デスク間の距離をあける、デスクそのものの高さ、幅の広さを車椅子に合わせる、段差をなくしスロープを設けるといったデザインです。
これに対し、ユニバーサルデザインとは、そもそも障害者であったロナルド・メイス氏が発明したものです。障害者だけを特別視したバリアフリーデザインを嫌い、誰もが平等に使いやすいものにするためのデザインがユニバーサルデザインです。
これだけではユニバーサルデザインとバリアフリーデザインの違いがわかりづらいかもしれません。例えば段差をなくすスロープ。バリアフリーデザインでは元々ある段差にスロープを追加します。ユニバーサルデザインでは設計の段階でスロープの設置が決められています。また障害者だけに配慮するのがバリアフリーデザイン。それ以外にも国籍、性別などすべての人に配慮したものがユニバーサルデザインです。
オフィスレイアウトにおけるユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインをオフィスレイアウトに活用する方法のひとつとしてデスクレイアウトがあります。従来、部や課単位で島をつくり、部長、課長を島全体を見渡せる場所に配置するレイアウトが一般的でした。これに対しユニバーサルデザインでのデスクレイアウトは、部長、課長席を設けず、島の中に取り込んだうえ、部や課の垣根も取り払います。
こうしたデザインを採用することのメリットは、組織変更などを行う際にレイアウトを変えるコストを削減できること。デスク周りの配線もそのまま利用できること、さらに社員の増減があった場合でもフレキシブルな対応が可能になります。
またデスクの引き出しをなくし、共有キャビネットを用意することで業務スペースの拡充できるだけではなく、セキュリティ管理の向上も実現します。
現代の常識となりつつあるユニバーサルデザイン
誰でも使いやすい機能性を追及したユニバーサルデザインは、単に便利で機能的であるだけではありません。部や課の垣根を取り払うことで社内のコミュニケーションが活性化するうえ、レイアウト変更などのコスト削減効果も期待できます。
ユニバーサルデザインは、障害者だけに配慮したバリアフリーデザインをさらに推し進めたもので、これからのオフィスレイアウトの常識となりつつあるデザインのひとつです。オフィス移転をご検討の際は、ユニバーサルデザインを意識したオフィスを選択肢に入れることをおすすめします。