COLUMN
コラム
それぞれの勘定科目の違い
まずはそれぞれの勘定科目の違いについてご説明します。これらの違いを知ることで内装工事に必要なことを理解することができます。
- ●建物・造作
木工工事、ガラス工事、防水工事など建物に対して直接的に行う造作工事のことです。
- ●建物附属設備
建物と一体となり機能を発揮する付属設備のことです。具体的には水道、電気、ガス、トイレ、洗面、照明そのもの、もしくはそれに関する工事などを指します。
- ●備品
書棚やロッカー、コピー機、デスク、椅子など作り付けではないもののことです。
- ●諸経費
オフィスデザインにかかる費用や、それに伴って発生する人件費などのことです。
勘定科目によって変わる耐用年数
それぞれの勘定科目の違いがわかったところで、次は実際に内装工事にかかった費用をどう分類していくかです。特にポイントとなるのは、「建物・造作」と「建築付属設備」。この2つの分類です。
例えば防水工事は「建物・造作」に分類されますが、水道もしくは給排水工事は「建物付属設備」に分類されます。工事中は防水工事と給排水工事は場合によってはどちらも水道工事として計上することもできますが、どちらで計上するかによって耐用年数が変わってしまうこともあります。耐用年数が変われば当然、税金も変わってくるため、特に「建物・造作」と「建築付属設備」の分類は明確に行う必要があります。
ほかにも家庭用のような個別空調であれば「備品」となりますが、ビルなどに備え付けられているセントラル空調は「建物付属設備」になります。この場合、それぞれの耐用年数は「備品」で6年、「建物付属設備」で15年です。
内装工事の勘定科目をしっかりと分けることで大きな節税効果が
オフィスの内装工事は、細かい仕分けをせずに、全体で耐用年数を決め、減価償却としての経費計上額を決めるといった場合もあります。しかし今回ご紹介したように「建物・造作」「建物附属設備」「備品」「諸経費」の4つの勘定科目別に仕分けをすることによって、より多くの経費を計上することが可能になります。
基本的に節税のためには、耐用年数が短い方がより多くの金額を経費計上できるためお得になります。特に起業したてでキャッシュが少ない時期は、できるだけ多くの金額を経費として計上できたほうがメリットが大きいため、細かい仕分けはしっかりと行うようにしましょう。
また起業したてではなくとも、多くの金額を経費計上できれば、よりこだわりを持ったオフィスデザインを実現させることも可能になります。節税効果と理想のオフィスデザイン実現のためにも、内装工事の細かい勘定科目仕分けを行うことをおすすめします。