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COLUMN
コラム
オフィスデザインを行ううえで、エントランスや執務エリア、会議室エリアなどそれぞれに合わせた広さ、カラーリング、セキュリティなどを考慮されると思います。しかし意外と忘れがちなのがエリアごとの照明設計です。例えば一般的な書類作成に必要な明るさと、精密な図面作成に必要な明るさは大きく異なります。そこで今回は業務効率にも大きく影響を与えるゾーニング別の照明設計についてご紹介します。
エリアごとにどの程度の明るさが必要なのか?
照明学会による「オフィス照明設計技術指針」によると、オフィス内のエリアごとにどの程度の明るさが適当なのかについて推奨照度が提示されています。例えば冒頭で示した書類作成に必要な照度は750LX、そして精密な図面作成に必要な照度はその倍の1,500LXが推奨されています。それ以外の主なエリア別推奨照度は次の通りです。
エリア |
推奨照度(LX) |
執務エリア(事務室、役員室、資料室など) |
500~1,500 |
コミュニケーションエリア(応接室、会議室、受付など) |
500~750 |
リフレッシュエリア(食堂、休憩室など) |
150~500 |
ユーティリティエリア(化粧室、書庫、倉庫、更衣室など) |
150~500 |
※参照:照明学会技術指針JIEG-008(2002)
これらの推奨照度は、そのエリアで行われる業務内容だけではなく、窓外から入る昼光の量によっても変わってきます。そのため推奨照度が低くても、あまり外からの光が入らないエリアであれば、照度は高めに設定したほうがよいでしょう。
エリア別の照明の選び方
それでは次にエリア別の照明の選び方についてご説明します。
- ●コミュニケーションエリア(受付)
その企業のイメージにもよりますが、一般的にエントランスは執務エリアほど明るくする必要はありません。全体的には500LXが適当です。そのうえで受付や社名のロゴに個別に照明を当てる局部照明方式がおすすめです。
- ●コミュニケーションエリア(会議室)
同じコミュニケーションエリアであっても、受付と会議室では業務内容も異なるため、照明の選び方も変わってきます。会議室では話している人間の顔がはっきりと見えるよう、受付よりも高い750LXが適当です。ただしプレゼンテーションルームでは、プロジェクターなどを使用する際に照明を落とすことが多いため、500LXでも問題ありません。
- ●執務エリア
前項でご紹介したように、業務内容によって明るさを変えるようにします。おすすめはタスク&アンビエント照明方式です。これは天井からの全般照明と周囲だけを照らす局部照明を組み合わせたもので、業務内容によって局部照明を効果的に使うことで省エネにも貢献します。
- ●ユーティリティエリア(書庫、倉庫)
倉庫は業務に支障がない程度に照度を落とすようにします。一般的には200LXが適当です。これに対し書庫はその用途からも500LX程度の明るさがあったほうがよいでしょう。
省エネにも配慮した照明設計を
2011年の東日本大震災以降、オフィスにおいても省エネに対する意識が高まっています。照明設計においても間引き点灯、LED照明など高効率照明器具への交換、朝、昼、夜など時間帯によって照度を調節する照明制御の利用などによって、省エネに大きく貢献します。オフィスデザインを行う際には照明設計も忘れずにご検討ください。