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COLUMN
コラム
今は昔、オフィスといえばこういう形という判で押したようなデザインがあり、どこのオフィスも代わり映えのない時代がありました。現代においてもいまだそういったオフィスは残っていますが、ワークスタイル、社会動向に応じ、オフィスも変遷を遂げています。では、これからの時代に合わせたオフィスは? 規模は? 今回はこれまでのオフィス設計を振り替えりながら、これからのオフィスについて考察します。
高度成長期以降のオフィスデザインの変遷
1960年から70年代初期にかけて、オフィスは全スタッフが出社して仕事をすることが当たり前であり、レイアウトもそれを前提に設計されていました。具体的には今でも銀行などで見られるような、一番奥に上司が鎮座し、そこから扇のように広がっていくスタイルです。
その後、1980年代前半、オフィスは島型対向式レイアウトが主流になります。このレイアウトは現代においてもまだ多くの企業で見られます。そして1990年、2000年と進むにつれ、フリーアドレス、ユニバーサルプランなど、独自のデザインを採用する企業が増えてきます。
さらに2000年代以降は、バリアフリーデザイン、個人スペースの拡充、リラックスルームの充実などより個性的なオフィスデザインが増え、多種多様な働き方が実現できるようになっています。
現在の社会情勢を反映させたオフィスデザイン
これまでのオフィスデザインの変遷を見ますと、今でも変わらない部分もありますが、大きく変えていかなければいけない点もあります。その最たるものが、労働人口の減少を見据えたオフィスデザインです。
2017年4月10日、国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の将来推計人口」によると、2016年の労働者人口は6,648万人ですが、約50年後の2065年には3,946万人となり、じつに40%も減少すると予測されています。
かつてのオフィスデザインは、すべてのスタッフが出社することを前提に設計されていました。しかし労働人口が減少しただでさえ人が少ないのに加え、モバイルの進化やテレワークの増加により、これまでのオフィスデザインでは無駄ばかりが目立つようになってしまいます。
これからのオフィスは、いかに省スペースで効率良く働けるかに重点をおいた設計をすることが大きなポイントとなります。
働き方改革を見据えたこれからのオフィスデザイン
現在、国が主導となって推し進められている働き方改革。労働人口が減少する中で少しでも労働生産性を上げていくためには、それに合わせたオフィスデザイン設計をすることも重要な要素のひとつです。
個人の仕事がモバイルワークやテレワークで可能になった今、オフィスは創造的な協業作業を行う場としての役割を持つようになる可能性もあります。そうなれば極端な話、執務室はなくなり、ミーティングスペースや会議室だけのオフィスといったケースも十分にありえます。
もちろん業務内容や企業風土によって必要なオフィスデザインはさまざまです。重要なことは、労働人口が減る中で将来を見据えこれからは会社の論理ではなく、スタッフの働き方がまずあって、それに合わせたオフィスデザインが求められるということです。