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COLUMN
コラム
2015年の女性活躍推進法成立から幾年、働く女性の存在は当たり前になっていますが、オフィスでバリバリ働く人、という意味ではまだ男性に利があります。女性の活躍が求められている現在、人口減少に合わせて今まで以上にオフィスに女性が増加するかもしれません。そこで今回はこうした現在の日本の働く女性と海外の違い、女性が働きやすいオフィスづくりについて考察します。
女性の活躍が求められている背景
現在、総務省統計局が公開している「日本の統計2017」によると2017年の日本の人口は約1億2,700人ですが、この数字が10年後には1億2000万人。そして20年後には1億200万人と急激に減少していくと予測されています。
日本の人口が減少していくと予測されている中、しかし女性就業者の数は男性を大きく上回る勢いで伸びています。総務省統計局の労働力調査において就業者数で見ると、2017年8月の段階で2,886万人。これは男性の3,687万人よりも少ない数字ですが、増加数で見ると2016年同月比で男性が28万人に対し、女性はその2倍の56万人です。
女性の就業者数が伸びている原因はひとつではありません。大型トラックやバスの運転手、工事現場などなどこれまで男性中心であった職業に就く女性が増えたことはもちろん、以前は結婚、出産などで退職してしまっていた優秀な女性が、子育てが一段落したところで再就職をするなど、あらゆる場面で女性の活躍が求められていることが、女性の就業者数が伸びている要因となっています。
海外で働く女性の今
年々増え続ける女性に就業者数。しかし諸外国に比べると、日本はまだまだ遅れています。例えば、内閣府男女共同参画局の調査によると、ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め35ヶ国の先進国が加盟するOECDの中で25~54歳の働く女性の割合が82.8%ともっとも多いスウェーデンに対し、日本は71.8%と全体の24位となっています。
また平成29年版男女共同参画白書によると、30代の日本人女性の就業率が60%台前半なのに対し、スウェーデンは80%近い就業率となっており、結婚、出産後も仕事を続ける女性は増えてはいるものの、欧米諸国に追いつくにはまだ時間がかかりそうです。
女性が働きやすいオフィスデザインとは?
今後、日本は人口が減ることはあっても増えることはまずありません。そうした中で労働生産性を上げていくには、女性に今以上に活躍してもらう必要があります。そこでポイントとなるのが、働き方の改革はもちろん、女性が働きやすいオフィスデザインです。
女性が働きやすいオフィスデザインとは、清潔感があり快適な空間を作り出すことです。例えば化粧室や更衣室を広く取り、コミュニケーションの場としても利用できるアメニティスペースにしたり、子どもを預かれる企業内託児所を取り入れたりすることで、働く女性のモチベーションは大きくアップします。実際、女性がもっとも働きやすい国と言われるスウェーデン企業のIKEAが日本に上陸した際、パートタイマーを含めたすべての社員が利用できる企業内託児所を設置(IKEA船橋店)したことで話題になりました。
これまで男性中心で考えられていることが多かったオフィスデザイン。しかしこれからは、今まで以上に女性が活躍する社会になっていくことを見据え、女性が働きやすい快適なオフィスデザインを意識することが、企業の労働生産性を上げるうえでも重要なポイントになりそうです。