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コラム

AI/人工知能とこれからのオフィスデザイン

AI/人工知能の活用はすでに身近なものになっています。例えばショッピングサイトがその一例。AIがその人の購買履歴から合った商品を教えてくれます。また最近では自動販売機にもAIが搭載され、オススメを教えてくれるものも登場しています。

 

以前からGoogleの検索はAIが監視していたり、iPhoneの音声ナビであるSiri、さらにAmzon EchoやLINE Clova、Google Homeといったスマートスピーカーが登場したりと、さらに身近になりました。こうした最新技術は、仕事においても活用される機会が多くなってきています。これからのオフィスそのものとAI/人工知能のシナジー効果について考察します。

 

オフィスのオートメーション化とAI/人工知能活用の違い

AI/人工知能といっても、それがオフィスにどういった効果をもたらすかを実際にイメージすることは難しいかもしれません。例えば1980年代にオフィスにコンピュータが導入されたことで、それまで行っていた業務の多くがオートメーション化されました。このオートメーション化とAI/人工知能は何が違うのでしょうか?

 

オートメーション化とAI/人工知能の活用は、どちらもオフィス環境を快適なものにすることには変わりありません。しかしオートメーション化とAI/人工知能の活用には大きな違いがあります。それは、オートメーション化はあくまでもそこで働くスタッフが管理するものでることに対し、AI/人工知能は、機械自体がスタッフの行動、状況に応じて進化していくものであるということです。

 

ディープラーニングという言葉を聞いたことがあるかと思います。日本語では深層学習と呼ばれるもので、簡単に説明すると、人間が使えば使うほどに機械がその人間の癖や好み、言葉を学習し、進化していくというものです。これをオフィスに導入することで、そこで働くスタッフそれぞれの好みに応じた環境を作り出すことが可能になるのです。

 

すでにオフィスでのAI/人工知能の活用は始まっている

日本ではまだ実際にオフィス内でAI/人工知能の活用を行っている企業は多くありませんが、海外ではすでにオフィス内にAI/人工知能を取り入れた企業が増えています。中でも多くの企業が取り入れているものとして、空調機能があります。

 

スタッフが自分のスマホから「暑い」「寒い」などと伝えることでAIがオフィス内を最適な温度に調整します。もちろんこれだけではありません。AIは日々スタッフから伝えられる情報の履歴をもとに、スタッフそれぞれの快適な温度を学習し、自動で最適な温度設定をするようになります。

 

またスタッフの社員証やモバイルなどにセンサーを設置し、オフィス内で「いつ、どこで、どういった行動をしているか」を記録します。このデータをもとに、時間によって多く使われる部屋の温度設定を変えたり、照明を明るくしたりを自動化する取り組みも行われています。

 

さらに日本でも、会議室でスタッフが発するキーワードをもとに、それに関連した情報をモニターに表示し、会議を活性化させるテーブルの開発が行われています。これにより新たな発想が生まれる、これまでは見落とされてしまっていたアイディアが再活用されるなどの効果が期待されています。

 

オフィス環境をさらに快適にするAI/人工知能

 

オフィスでのAI/人工知能の活用は、オートメーション化のようにスタッフの作業を軽減化させるものというよりも、「そこで働くスタッフそれぞれの状況に応じてオフィス環境を快適なものにする」「新たなクリエイティブを生み出すなど創造的な方向へと導くもの」と言えるでしょう。まだまだ発展途上ではあるものの、AIの進化のスピードは速く、もしかすると後1~2年もすれば多くの企業で活用されているかもしれません。