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現代オフィスデザインの鍵、アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)とは?

アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)とは、欧米を中心に流行している仕事内容に合わせて働く場所や机などを選ぶ働き方です。フリーアドレスとは大きく異なる働き方です。そこで今回はABWとはどういったものなのか、ABWを取り入れるうえで必要なことについて詳しくご紹介します。

 

ABWとフリーアドレスの違いとは?

 

 

数年前から日本でも取り入れる企業が増えてきたフリーアドレス。決まった自分の席を持たず、仕事の状況やプロジェクトによって自由に席を決められるオフィス形態ですが、基本的にはオフィスに出勤することを前提とした働き方です。これに対しABSとは、オフィス内で自由に席を決めて働くだけではなく、業務の内容によって自宅やコワーキングスペースなど働く場所も自由に決めることができる働き方です。

 

フリーアドレスのメリットとして、オフィスの小規模化によるコスト削減があります。しかし実際にはオフィスで働くことが前提のため、それほど小規模化することはできません。ABWは自宅勤務の社員が増えることで、本当に意味でオフィスの小規模化が実現します。実際、オーストラリアの総合不動産グループ、グッドマンはABW導入後、オフィスに従業員60%分のデスクしか用意しませんでしたが、それでももっとも使用率が高いときで80%、平均では60%と大きく省スペース化を実現しています。

 

ABWを導入することのメリット

ABWを導入することのメリットはオフィスの小規模化だけではありません。現在、国が主導となって進めている働き方改革にも大きく貢献します。自宅勤務やコワーキングスペースでの勤務を認めることで、これまで子育てや親の介護で休職もしくは退職しなければならなかった社員が、そのまま働くことができるようになります。これによってさまざまな事情で働けなくなってしまった優秀な社員を手放すというデメリットが解消されます。

 

また企業にとってもうひとつのメリットは、場所にこだわった採用の必要がなくなることです。もちろんオフィスで働く場合は、オフィスの近くに住んでいることが基本となりますが、働く場所も自由となれば全国にいる優秀な人材を確保することも可能になります。

 

ABWを導入する際の注意点

 

 

ABWを導入する場合、フリーアドレスの基本であるオープンオフィスではなく、さまざまな働き方に合わせたオフィスレイアウトが必要になります。一人で集中して働きたい場合の個室、プロジェクトチームとして働く場合の協業スペース、営業部など組織で動くことが基本の部署に合わせた組織スペース、部やプロジェクトにかかわらず気軽にコミュニケーションが取れるフリースペースなど、働き方に合わせたレイアウトを取ることがABWのポイントです。

 

もう一つのポイントはペーパーレス化です。これはフリーアドレスでも同様ですが、基本的に自分のデスクを持たないため、紙の資料はできる限り減らす必要があります。これはオフィスの小規模化にも貢献しますので将来的には完全ペーパーレス化を目標に進めていくことをおすすめします。

 

ABWは一見、フリーアドレスに近い働き方ですが、こうしてみるとまったく新しい価値観での働き方であることがおわかりいただけると思います。日本ではまだまだ事例が少ないABW。少しでも興味を持たれたらぜひ、専門家にお問合せください。